「私の通っている金継ぎ教室の先生がkapocを着ていらっしゃって、とても素敵で。。。
私もそれを見て欲しくなっちゃいました。。」
古くからの知人からもらった久しぶりのメッセージは、そんな嬉しい内容でした。
早速その知人を介して、金継ぎ教室の取材をお願いしたというわけです。
会場となったのは、鎌倉の隠れ家的カルチャーハウス”蕾の家”さんの素晴らしい空間です。
Golden Joinery:ゴールデンジョイナリーの”大脇京子”さんは、独学で金継ぎを学んだ後、
海外での個展を成功させ、現在鎌倉を拠点に活動する金継ぎアーティスト。
その人気は、数々の著名人や、日本の伝統工芸に関心のある海外の方からも修復の依頼が来るほどなのです。
茶の湯の盛り上がりと共に発展してきた金継ぎですが、近年、民藝や古道具が注目されるようになったり、
環境への配慮から物を永く大切に使う考えが浸透してきたおかげで、趣味として始める方も増えているようです。
大脇さんは、依頼の品を修復するだけでなく、興味がある方たちへ金継ぎを伝えていく教室を
鎌倉・湘南地区で開いていて、遠くは九州にまで足を運ぶこともあるそうなのです。
「みなさんにはそれぞれの暮らしがあって、思い出もあって、でも大切にしたいという気持ちは等しく同じ。
毎回、そういうエピソードを聞きながら、再び命を吹き返すのを見届けるのは本当に嬉しいんです。」
「今日は息子さんが大事にしていた『鬼滅の刃』のグラスを割っちゃったというお母さんもいらしてますよ。笑」
ひとくちに金継ぎといっても、仕上げに用いる材も「本金」「本銀」「漆」など様々。
修復後の品がより美しい景色となるよう、丁寧に時間をかけて指導してくださいます。
乾燥の時間も含めるとかなりの日数と手間のかかる作業となります。
「日常の破片をつなぐ」
好きなものを日常に取り入れて使っているとどうしても、綻びが出てくるのは当然のこと。
そこを素敵に修復できる技術はとても素晴らしいと語る大脇さん。
金継ぎ以外にも、ダーニングと呼ばれるイギリス発祥の衣類のほころびを美しい刺繍で修繕する技術も、生涯大切にしたいとおっしゃいます。
そんな大脇さんにkapocとの出会いをお伺いしました。
「フラッと立ち寄ったセレクトショップで、これは!と思いました。
割烹着の概念を覆すようなデザインと素材が忘れられず、『おしゃれ 割烹着』で検索して、オンラインで購入しました。
私のイニシャル「K」金継ぎの「K」が刺繍されているのも大変気に入っています。」
「漆は一度洋服につくと落ちないため、割烹着は必須です。それに加えリブが長いので作業中に手元がもたつくことなく、すっきりとしているので重宝しています。」
制作は”無”になって行うことが多いとのこと。それだけ集中するには、衣服のことなど気にせずできる環境が良いのでしょうね。
でも一転して、お教室の時は違うようです。
「これを身につけると、グッと仕事モードになります。しかも、デザインも着心地も良い物だと、自分の気持ちも上がるので、教室中も楽しい気分でいられる」ということでした。
そんな楽しいお気持ちが生徒さんたちにも伝わったのでしょうか。
取材終わりには、レッスンを終えた皆さんが代わる代わるkapocを試着してくださって、
これまた楽しいひとときになりました。
知人から、大脇さんに。そして大脇さんから生徒さんに。技術の習得やお洋服の楽しさを真ん中にしながら、人と人が繋がる瞬間は、何物にも変え難い幸せなものと実感しました。
(2022年4月15日 取材:渡邉)
“Golden Joinery:ゴールデンジョイナリー”
詳しくはホームページでご覧ください。
https://golden-joinery.com/
Instagram / @kyokoohwaki
撮影ご協力
海とお茶のくらし 鎌倉「蕾の家」
Instagram / @tubomi.tea