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” BAKERYMAN’S SMOCK のものづくり “

” BAKERYMAN’S SMOCK のものづくり “ ” BAKERYMAN’S SMOCK のものづくり “

みなさん”前掛け”をご存じでしょうか。
15世紀を起源とし、1970年頃ピークを迎えた”前掛け”文化。
働く人の身体を守り、衣服を守るものとして、酒蔵や米・味噌・醤油屋さんに広まった、そう、あの紺色に白い抜き文字で屋号などが大きく入った、あの腰エプロンです。その前掛けを、昔の製法そのままに作り続ける会社が愛知県
豊橋市にあります。トヨタ自動車の創業者「豊田佐吉氏」の発明したシャトル式力織機をはじめ、数台の古い織機が、今もゆっくりそして力強く動いています。
ここで織られる布は、丈夫でありながら着るほどに柔らかくなり馴染むという特別な布。この布に惚れ込んだ私たちはこれで割烹着をつくろうと考えました。

現代の服地の幅は110cm~150cmが主流ですが、前掛けは約1尺8寸(68cm)の狭い幅です。
この古い織り機を使って、しかも昔の製法そのままに、ここまで地厚な綿布を織ることができるところは、日本でも数えるほどしかありません。ここまで貴重な布を使うからには、ムダなくきっちり使いたい、一つの生地ゴミも出したくない、そう考えました。ごみ削減とか環境配慮とか、そういう思いではなく、ただただ「その生地と生地を織る人に対する最大の敬意」を払いたいという思いです。

この絵をご覧ください。左がこの服の型紙の配置図です。一つも曲線がないのでこの通りに生地を裁断すればゴミは出ません。その直線の形を組み合わせて作った服が今回のこのスモックというわけです。結果、とても斬新で未来的なものに仕上がりましたが、実はこの製法は「着物」のつくり方にも通じるものがあります。つまりとても理にかなったつくりなのです。

ただ唯一、肩を傾斜させるために切り出した三角のパーツが2枚残ってしまいます。これもちゃんとした使い道があります。それがブランドタグになっています。

縫製は、世界一のデニムの産地で有名な岡山にある工場さんにお願いしました。厚手の布を縫う、生地の耳(セルビッチ)を残しながら裁断するには、それに慣れた熟練の技と、丈夫なワークウェアのためのディテールも熟知している職人さんが必要です。上の3枚の写真は、製品を裏返したものですが、縫い端をすべて厚手のテープで覆うことで、
丈夫さと見た目の綺麗さの両方を実現しています。ハードな動きを要求されるミリタリーウェアなどにも用いられる手法です。

こうしてBAKERYMAN’S SMOCKは、丈夫で長持ちな作業着として、前掛け用の地厚な綿布を使用してできあがりました。

kapocは、前も後ろも両面着ていただけるのが最大の特徴の楽しい割烹着。もちろん普段のおしゃれを楽しむ洋服としても、しっかりおすすめしています。
詳しくは、商品詳細の載ったアイテムページもどうぞご覧ください。

2022.8.15 取材:渡邉

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